母子家庭マニュアル

母子家庭の手当を活用しよう!シングルマザーの貧困生活マニュアル

弟を養うためにワーキングプアになった女

2016/06/21

「弟を養うためにはワーキングプアだとわかっていても
働くしかありませんでした。」
こう話すのはパート従業員の独身女性がいます。

弟のためにワーキングプアになったのに・・・

両親は私が幼い時に離婚しました。
おそらく原因は父親の収入が低いことです。
よく夫婦喧嘩の声を聞きました。
その当時はまだ言葉としてありませんでしたが、
父は「ワーキングプア」でした。

しっかり毎日働いているのに給料が少なかったのです。
両親の離婚後、私と弟は父親に引き取られましたが、
しばらくすると父は子供たちを置き去りにして
いなくなりました。

その後は父方の祖母に育てられました。
そのとき私は中学3年生、弟は小学6年生、
祖母は85歳でした。
祖母は高齢だったので、勉強を教わったり、一緒に出掛けたり
したことはありませんでしたが、学校にかかる費用は
出してくれました。

中学を卒業すると、高校には行かず近所のスーパーで
働き始めました。
そのお金で弟を大学まで行かせてあげようと考えたからです。

高校に行きたい気持ちもありましたが、姉として弟を立派な大人に
育てなければという思いのほうが強かったです。
必死に働いた結果、弟が高校3年生のときは、
200万円以上の貯金ができました。

私の思いが届いたのか、弟は第一志望の大学に合格しました。

入学金や学費、そのほか大学で必要なものを買いそろえると、
貯金のほとんどがなくなりました。
弟の進学が決まり、肩の荷が下りたところでしたが、
来年度の学費をつくらなければなりません。

弟が大学を卒業し、いい会社に就職できるまでの辛抱だと思い、
また貯金しようと思いました。
そんな矢先、祖母が体調を崩し入院することになりました。

医者の話だと、もう長くはないだろうとのことでした。
今までは祖母の年金があったおかげで、私の働いたお金の
半分くらいは貯金できていました。
しかし、祖母がいなくなれば、生活費も弟の学費もすべて
私が稼がなければなりません。

そして入院から3ヶ月後、祖母は帰らぬ人となりました。

祖母の子供は父親の他に何人かいましたが、
私たち兄弟のことを不憫に思い、家を私たちに譲ってくれました。
ただ、女である私はいつかは家を出るだろうということで、
祖母の家は弟に相続されました。

それから半年後、弟は突然大学を辞めると言い出し、
私が止めるのも聞かず、辞めてしまいました。
辞めた理由は、「自分の道はここではないと思った」
ということでした。

弟は男だから、大学を卒業して立派な社会人になってほしいと
願う姉の気持ちをまったく考えてはくれず、
思い付きで大学を辞めてしまったのです。

苦労して入学させたというのに。

それでも、弟の人生は私のものではないと言い聞かせ、
私は自分のために働くことにしました。

働くと言っても、今まで通りスーパーでの仕事です。
フルタイムで働いても月に11万円ほどの手取りしかありません。
中学校卒業が最終学歴ですので、仕方がないことです。
このとき初めて高校に行かなかったことを後悔しました。

大学を辞めた弟はすぐには働かず家に引きこもっていました。
そのため私の給料で2人分の生活費、固定資産税など
すべてをまかないました。

職場に頼んで残業させてもらっても、それほど給料は増えません。
父と同じくワーキングプアでした。
しかし、そのときは安定した職業に就くことよりも、
明日の食費のほうが大切だと思って働いていたのです。

弟は家に半年間引きこもったあと、一般企業の正社員に
なりました。
就職1年目にして、私よりも高給取りになりました。

私が必死に働いても大して稼げない一方で、
弟は毎年昇給していきました。
さらにプライベートも順調で、彼女を作り頻繁に家に
連れてくるようになりました。

そんなころ、弟から衝撃的なことを言われるのです。

「ここは俺名義の家だから、姉ちゃんはそろそろ
出てくれないか。」

開いた口が塞がりませんでした。
今まで何のために頑張ってきたんだろうと思い、
働く気力が失せました。

結局、私は家を出て、ボロアパートで一人暮らしをしています。
将来のことなんて想像もできません。

-ワーキングプア
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