母子家庭マニュアル

母子家庭の手当を活用しよう!シングルマザーの貧困生活マニュアル

貧困の連鎖とは金銭的な問題だけではない

2016/06/23

元オーナーシェフの男性は、普通の暮らしを手にしていますが、
父と同じ過ちをしたことから、貧困の連鎖に陥ったと
考えています。

父の失敗は息子に連鎖するものなのか

私はわりと裕福な家庭に育ちました。
父が食品加工会社を経営しており、
普通の会社員よりも高所得だったからです。

しかしそれは小学生のときまでで、
中学1年生のときに父の会社が倒産し、
いきなり生活が困窮するようになりました。

倒産の理由は、父がずっと食品偽装をやっており、
それがバレてしまったからです。
マスコミが押し寄せてくるので、母と弟の3人で
近所のアパートに隠れるようにして生活した記憶が
今でも鮮明に残っています。

それから1年後、父はいなくなりました。
母にも誰にも何も言わず失踪したのです。

母は女手ひとつで私と弟を必死に育ててくれました。
そして、私は母を早く楽させたいと思い、
高校卒業後に洋食店に就職しました。
このときの将来の目標は、自分の店を持つことでした。

必死に働き、空いた時間に料理の研究を重ねていました。
早く貧困から脱することだけを考えていました。

努力の甲斐があって、23歳という若さで、
洋食店をオープンさせました。

オープンして間もなく、テレビに取材されると、
お客が絶えることのないお店になりました。

収入が増えても私は遊び歩くことはなく、
もっと稼いで母に家を買ってあげたいと考えていました。
そして、父のように食品を偽装するようなことはしないと
強く思っていました。

お店の経営は順調で、スタッフを増やし、2号店をオープン
させることにも成功しました。

そして、30歳になる頃、5店舗を持つ経営者に
なっていました。
母には家を買ってあげることができ、彼女との結婚を目前に控え、
幸せな毎日を過ごしていました。

父のようにならなかった。
それだけで涙がでるくらい嬉しかったのです。

その後予定通り結婚し、子供にも恵まれました。

ところが、お店の経営は徐々に悪化していくのです。
ファミレスの低価格化で、うちのような個人的な洋食店には
お客さんがなかなか来てくれなくなりました。

うちは1食1,500円くらいのメニューがほとんどで、
味には自信がありましたが、価格ではまるで勝てませんでした。

結局、経営悪化からわずか3年で店は倒産しました。
今は雇われシェフをして、子供を大学に行かせるお金を
必死に貯めている生活です。

うちの場合は、母が必死に育ててくれたので、
貧乏が貧乏を呼ぶ一般的な「貧困の連鎖」では
なかったと思います。

しかし、会社の経営が行き詰まるという意味では、
父と同じ道を進むことになり、そんな運命を背負って
生まれてきたのかと寂しく思うことがあります。

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